みなさん、こんにちは!
第2回は、「’’引き算’’でプランニングすること」についてです。
引き算?!ということは、足し算もあるわけで(笑)… 多くの建築主の方は、当然ながら建築設計が専門ではないわけで、それでも頑張って’’間取り図’’を考えて持参される方がたまにいらっしゃいます。
建築主さんからのメッセージ(意図を伝える手段のひとつ)として、ふむふむと読み解いていくと、いろんな発見があり個人的には楽しんで拝見しています。
玄関を入ったらシューズクローゼットがあって、LDKのキッチンからはパントリーや洗面室・浴室などの水回りへアクセス出来て、そうそう和室もほしいわ…
といった具合に、どんどんお家は大きくなっていきます。書けば書くほど、考えれば考えるほど、理想は広がっていき、悲しいかな収集がつかなくなってしまいます。
※これの状況を私は「足し算型プランニングによる破たん」と表現しています。
それでは、設計者はどのようにして、プランニングしているのでしょうか?!
私の場合は、こうです。もうお分かりですね!
「引き算でプランニングすること」を前提にしています。
引き算の対象になるのは、敷地全体で、敷地を隅から隅まで吟味したうえで、敷地内の特定の「場所」に対して、特定の「行為」と「住居としての役割」を与えながら、引き算してくというものです。
写真は、10M×10M×10Mの空間を、どのように区分していくかを概念的に検討する際の模型で、ほとんどの建築学生は、一度はこのようなトレーニングを受けているはずです。
一見して平凡な敷地でも、よくよく観察していくと、いろんな発見があるもので、「この場所から見えるこの景色、いいね!」だとか、「いま吹いた風、気持ち、いいね!」といった発見に対して、では、その場所をどのように使うのか(リビングにするのか、中庭にするのか)について検討していくことになります。
我が家を考える際のポイントとして、何畳のリビングが必要かよりも、そもそもリビングでどのように過ごしたいかを考える方が豊かな暮らしをイメージできそうな気がします。
目に見える床・壁・天井などを設計することを通じて、そこでの行為をデザインすることこそが、住宅の設計者の仕事なのです。
Matumoto
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